(-1)×(-1)=1はなぜか?
-1とは負の整数の1つで、その中で最大の数であり、
を満たす数のこと。
ここで、負の整数について考えることで、なぜ(-1)×(-1)=1となるのかを考える。
さて、−1とは何かを説明する前に1とは何かを考える。
辞書を見ると、
1とは、「数字の1つで、最小の正の整数」である。
ここで、正の整数とは簡単な表現をすれば、モノの数を数えるための数字の集合こと。
ex)りんごがある⇒ 個数は?
左図のリンゴの状態を1(個)と表現する。
で、この1という表現を用いて、以下のりんごの個数を表現すると、
例として、「りんごが1個ともう1個ある」。この「1個ともう1個」というのは言葉として長いので、2(個)と表現することにする。このような考えの繰り返しで、現代で使用されている1,2,3,4,5,6,7,8,9・・・という正の整数が考えられた。ちなみに、何もないという表現で用いることで0と数字も考えられた。(正の整数には0は含めない。)
1と2の関係性を考えると、「1個ともう1個」という表現が「2個」と表したが、これをもう少し簡略的な表現にするために、演算という考えを用いる。それは「+」という演算で「足す」を表現する。すると、(「=」は「等価」として使う)
「1個ともう1個」が「2個」⇒ 1 + 1 = 2 ※数式と呼ばれるものである。
3個の場合は2個ともう1個なので、2 + 1 = 3と表現できる。
さらに1のみで表現すると1 + 1 = 2 だから1 + 1 + 1 = 3。
以下同じように考えて、「1」と「+」を用いて、残りの数字を定義することで、モノを数えることができるようになった。
ちなみに、0 + 1 = 1とする。これは「何もない」ところに1が足されると考えることができるから。
さて、演算として「1+」とは数字に1を足していく操作である。現実であれば、1個のリンゴにもう1個追加して、2個のリンゴにすることは前述した。ただ、大きい正の整数を表現するには、「1+」のみ演算だと表記が困難である。例えば、10000は
この「1が10000個」という表現を演算を用いて簡略的に表記することを考える。そのため、「1が10000個」⇒1 × 10000と表記とし、これを10000とするので、1 × 10000 = 10000と表記できた。要するに、「1×」とは掛ける対象をそのまま出力操作と読み替えることができる。(ちなみに、1 × 0 = 0は「1がない」ことを意味すると捉えられるから、1 × 0 = 0)
さて、1を用いた演算のルールとして以下のようにまとめる。
① 1 + 1 = 2 :「1+」とは数字に1を足していく操作。
② 1 ×?=?:「1×」とは対象(例として?)をそのまま出力する操作。
③ 0とは、1+0=1かつ1 × 0 = 0満たす数字。
④1とは、最小の正の整数であり、モノを数える上での最小の数字。
0と正の整数を含めた数字の集合を自然数という。(0を含めない考えもあるが、ここでrは含むとする)現代においては0個という表現もあるので、モノの数を数える上では自然数を用いることが多い。
つまり、一番小さい数は0ということになるが、それ以下は本当にないのだろうか?その為に、1に何かを足したら、0となる数字を定義してみるのである。この何かと表現した数字を(-1)と表現する。
すなわち、 が(-1)の定義とした。(一番最初にこそっと書いたこと)これにより、負の整数を定義することができた*1。一般に、負の整数は正の整数の前に「ー」を付けて「マイナス」と呼んで表記する。
これらは上のような関係性があり、これらの数を整数と呼ぶ。
(厳密には他に定義することがあるが、今回の本題から逸れるので、深入りしない)
ここからが本題の(-1)×(-1)=1となる理由だが、まず(-1)の定義は以下の通り、
これに(-1)を掛けると、
ここでルール②により、(-1) × 1 = (-1)
ここでルール③と(-1)の定義により、(-1) × 0 = 0.*2.
より、
これと、(-1)の定義、1 + (-1) = 0と見比べてみると、
となる。