Phy HirO 物理学

大学時代に勉強した物理学について、気ままに記事を投稿するブログです。

(-1)×(-1)=1はなぜか?

-1とは負の整数の1つで、その中で最大の数であり、

f:id:phyHirO:20220227162724p:plainを満たす数のこと。

ここで、負の整数について考えることで、なぜ(-1)×(-1)=1となるのかを考える。

さて、−1とは何かを説明する前に1とは何かを考える。

辞書を見ると、

  1とは、「数字の1つで、最小の正の整数」である。

ここで、正の整数とは簡単な表現をすれば、モノの数を数えるための数字の集合こと。

ex)りんごがある⇒ 個数は?

f:id:phyHirO:20220227163410p:plain  左図のリンゴの状態を1(個)と表現する。  

で、この1という表現を用いて、以下のりんごの個数を表現すると、

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例として、「りんごが1個ともう1個ある」。この「1個ともう1個」というのは言葉として長いので、2(個)と表現することにする。このような考えの繰り返しで、現代で使用されている1,2,3,4,5,6,7,8,9・・・という正の整数が考えられた。ちなみに、何もないという表現で用いることで0と数字も考えられた。(正の整数には0は含めない。)

1と2の関係性を考えると、「1個ともう1個」という表現が「2個」と表したが、これをもう少し簡略的な表現にするために、演算という考えを用いる。それは「+」という演算で「足す」を表現する。すると、(「=」は「等価」として使う)

「1個ともう1個」が「2個」⇒ 1 + 1 = 2 ※数式と呼ばれるものである。

 3個の場合は2個ともう1個なので、2 + 1 = 3と表現できる。

 さらに1のみで表現すると1 + 1 = 2 だから1 + 1 + 1 = 3。

以下同じように考えて、「1」と「+」を用いて、残りの数字を定義することで、モノを数えることができるようになった。

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ちなみに、0 + 1 = 1とする。これは「何もない」ところに1が足されると考えることができるから。

さて、演算として「1+」とは数字に1を足していく操作である。現実であれば、1個のリンゴにもう1個追加して、2個のリンゴにすることは前述した。ただ、大きい正の整数を表現するには、「1+」のみ演算だと表記が困難である。例えば、10000は

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この「1が10000個」という表現を演算を用いて簡略的に表記することを考える。そのため、「1が10000個」⇒1 × 10000と表記とし、これを10000とするので、1 × 10000 = 10000と表記できた。要するに、「1×」とは掛ける対象をそのまま出力操作と読み替えることができる。(ちなみに、1 × 0 = 0は「1がない」ことを意味すると捉えられるから、1 × 0 = 0)

さて、1を用いた演算のルールとして以下のようにまとめる。

① 1 + 1 = 2 :「1+」とは数字に1を足していく操作。

② 1 ×?=?:「1×」とは対象(例として?)をそのまま出力する操作。

③ 0とは、1+0=1かつ1 × 0 = 0満たす数字。

④1とは、最小の正の整数であり、モノを数える上での最小の数字。

0と正の整数を含めた数字の集合を自然数という。(0を含めない考えもあるが、ここでrは含むとする)現代においては0個という表現もあるので、モノの数を数える上では自然数を用いることが多い。

つまり、一番小さい数は0ということになるが、それ以下は本当にないのだろうか?その為に、1に何かを足したら、0となる数字を定義してみるのである。この何かと表現した数字を(-1)と表現する。

すなわち、f:id:phyHirO:20220227162724p:plain が(-1)の定義とした。(一番最初にこそっと書いたこと)これにより、負の整数を定義することができた*1。一般に、負の整数は正の整数の前に「ー」を付けて「マイナス」と呼んで表記する。

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これらは上のような関係性があり、これらの数を整数と呼ぶ。

(厳密には他に定義することがあるが、今回の本題から逸れるので、深入りしない)

ここからが本題の(-1)×(-1)=1となる理由だが、まず(-1)の定義は以下の通り、

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これに(-1)を掛けると、

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ここでルール②により、(-1) × 1 = (-1)

ここでルール③と(-1)の定義により、(-1) × 0 = 0.*2.

より、

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これと、(-1)の定義、1 + (-1) = 0と見比べてみると、

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となる。

*1:例えば、2 + (-1) + (-1) = 1 + (-1) + 1 + (-1) = 0より、(-1) + (-1) = -2 ⇒ 負の2を定義することができ、以下同様で負の整数を定義できる。

*2:これは(-1)の定義の両辺に0を掛けると、1×0+(-1)×0=0×0⇔0+(-1)×0=0

【簡単解説】デカルト座標を考えてみよう!!【力学篇❶】

物理学の基本は「力学」とよく言われますが、その力学の本を最初に開くとよく座標の話が記載されてます。物理現象から離れて、いきなり数学チックな話から始まるので、数学嫌いな方からしたら、すぐに本を閉じてしまうような内容のため、辟易するように感じるかもしれません。

ただ、物理学においては座標という概念は非常に大切であり、かつ言語で表現するよりも数学の知識を用いて書いた方が簡単に表現できます。

今回はよく使用される代表としてデカルト座標デカルトとは人の名前、フランスの数学者にして哲学者)を解説しようと思います。

 

 1. デカルト座標とはどんな座標?

 デカルト座標とは、別名「直交座標」と呼ばれることもあり、下図の通り軸線を直交させて表現した座標です。図1に描画した内容がデカルト座標の空間設定となり、その空間内に座標をとる(位置関係を記載する)ことが目的となります。今回は簡単のため、2次元平面に代表として話していきます。

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    図1. デカルト座標(2次元平面)

x,yと表記しているのは、軸線の名前でそれぞれの軸線を区別するために明記されます。

一般に座標は数字を用いて記載され、(x, y)と2つのパラメーター(変数)で表記されます。括弧内のxとyの意味は軸線上での目盛り位置(=数字)を示しています。

Oと記載した箇所は原点と呼ばれ、軸線が交差している箇所を表しています。原点は(0,0)と定義されます。原点からx軸方向に、y軸方向にどれくらい離れているかを主に数字を用いることで座標は表現されます。

文章で表現していてもわかりにくいので、図1において、座標を実際にとってみましょう。

例として(1, 2)の座標を考えると、下図のように表現されます。

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     図2.デカルト座標上での(1, 2)

図2は x軸から1、y軸から2の、平面上の場所を表しているのが(1, 2)となります。

一般的な表現では、数字も記号を用いて記載することが多いので、デカルト座標の表現としては以下の図3のように描画されます。座標を表す部分にはx 1 y 1  と表現しています。

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   図3.デカルト座標での表現

 

2.じゃあ、3次元のデカルト座標は?? 

3次元のデカルト座標はz軸という3本目の軸線を他2本の軸線と直交したものになります。(図4参照)

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         図4. デカルト座標(3次元平面)

この場合、座標の取り方も2次元から3次元に変更となったことで扱うパラメーターの数が1個増えます。図5のように立体的な位置を座標で指示することができます。

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  図5.3次元デカルト座標での表現

 

ちなみに余談ですが、この3次元のデカルト座標が我々が存在している空間のこと一般に指します。(歪んだ空間の話もあるが、ややこしくなるのでここでは触れないでおく。力学を学ぶ上ではこの認識でok。)

力学の問題対象として「物体の運動」について扱いますが、我々が住んている空間に沿って考えると、こういった問題はデカルト座標を基本として運動の様子を時間経過ともに考えていきます。この辺りの説明は「ニュートン運動方程式」で解説していこうと思います。

3. まとめ

 デカルト座標について簡単にですが、解説しました。いかにポイントを整理しました。

具体的にどのようにしようしていくのかは他の数学の知識(座標変換やベクトルなど)を使う必要があるので、次回に回そうと思います。数学チックな話からになりますが、理解できるように使うツールという意味で捉えてもらうといいと思います。(逆に数学を使わないと説明が困難であるので、、、)

 

今回はここまで!

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

最後まで見てくださり、ありがとうございました。。。